微細スラッジは工作機械のストレーナーをくぐり抜けてクーラントタンクに侵入します。それがフィルターや工作機械のノズルに詰まることで加工熱による溶着や、クーラント液に混じることによるワーク加工面への悪影響や刃物の摩耗といった問題を引き起こします。多くのユーザー様が年に数回、タンク内のクーラント液を抜いてタンク内を清掃、その後新しいクーラント液を補充しています。1日作業となっているユーザー様が多いのではないでしょうか?
SV-アルファのスラッジ回収機能は、スラッジを含んだクーラント液を吸引し、濾過してきれいになったクーラント液だけを再びタンクに戻しますので、作業時間は工作機械1台当たり数十分で済みます。またクーラント液は捨てずに再利用しますので、液の交換サイクルは2~3倍に延びます。毎年クーラント液に百万円単位のコストをかけているユーザー様でしたら、寿命が2~3倍に延びるということのメリットの大きさを容易にご理解いただけるでしょう。
また一言でスラッジといっても、沈殿しているスラッジや、浮上油に混じって液表面に浮いているスラッジ、切粉から研磨粉までタイプも大きさもまちまちですが、SV-アルファでしたらユーザー様の状況にあったメッシュサイズのフィルターをお選びいただくことで、あらゆる種類のスラッジに対応可能です(がすみません、セラミックやラップ粉など、極々微細な粉はNGです)。
また電気を一切使用しない完全エア駆動なので火災の心配もなく安心安全です。また電圧の違いに悩まされる心配もないので、海外でのご使用も容易です。
このようにSV-アルファはユーザー様のコスト削減、労力削減に大きく貢献します。
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加工部品などを洗う洗浄機では、洗い落とした油が浮上油となり、その浮上油が溜まっている洗浄液で洗うことでワークに油が付着し、不適合品となるケースもあります。また切削加工の現場では、浮上油がクーラントタンク表面を覆うことで嫌気性のバクテリアを増殖させ、これが特に夏場の悪臭の原因になります。浮上油が微細スラッジを抱き込むことで加工時にワークに悪影響を及ぼし、フィルターやノズルを詰まらせることも。こうした事態を避けるためには、発生した浮上油を素早く回収することが肝要です。
SV-アルファはコンパクトかつシンプルな構造ながら、こうした浮上油を素早くキャッチ、すぐれた油回収率を実現しています。また油の回収状況や分離状況が一目でわかる透明アクリルBOXを採用、使いやすさ・分かりやすさも好評です。また2020年秋に浮上油分離ボックスを改良し、運転中でもボックス内の液面調整が可能になりました(下記ご参照)。
浮上油が回収缶一杯にたまると自動停止するオートストップ機能付き(オプション)もございます。電気を使用しない完全エア駆動ですので、火災発生の心配もなく、夜間の自動運転も安心です。
浮上油回収のメカニズム
浮上油回収の操作方法はこちら!
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SV-アルファは、スラッジ、浮上油それぞれ単独での回収だけでなく、スラッジと浮上油を同時に回収することも可能です。大口径のストレートノズルで液中及び沈殿スラッジを、フロートタイプのノズルで浮上油を同時に回収します。両方のノズルから吸引された液は、まずはスラッジ回収用のドラムに送られ、そこでスラッジを回収した後で浮上油分離槽に送られます。浮上油と液に分離したあと、きれいになった液だけがクーラントタンクに戻るという仕組みです。一体型だからこそ可能な第3の機能です。
同時回収するユーザー様は、スラッジを一気に回収し満杯になったら捨てる、を繰り返すというよりは、デリケートなワークを加工する工作機械用に、常時同時回収を行ってクーラントタンクをいつもキレイに保ちたいという方が多いのが特徴です。
これまでありそうでなかったスラッジ・浮上油一体型回収装置「SV-アルファ」、
おかげさまで大好評です。
お客様から喜ばれている理由を簡単に整理すると・・・
昨今この手の商品もメーカー各社が市場投入を図っていますが、スラッジ回収装置単体でも50~80万円程度というのが実勢価格です。これに浮上油回収機能を付けたら100万円オーバーは確実。SV-アルファはこの2つの機能のコンパクト化に成功。お値段もコンパクトにまとめました。お気軽にお問い合わせください。スラッジと浮上油の両方を普段から回収しているユーザー様はもちろん、普段はスラッジの回収がメインだけど、時々浮上油も回収したい(けど、浮上油回収のためだけに大きなコストはかけられない)というユーザー様からご支持いただいています。
ワゴン台車程度のスペース(W360xD470xH900mm)に2つの機能をまとめました。このサイズは従来のスラッジ回収装置のサイズとほぼ同等です。スラッジ回収装置のサイズで、浮上油回収機能もプラスオン、「SV-アルファ」の名前の由来は「スラッジバキューマー、プラスアルファ(=浮上油回収)」からきています。もちろん性能面でも特許技術を多数採用。品質に妥協することなく、多くのお客様のご満足を頂戴しています。
SV-アルファはエア駆動ですので、電源は要りません。電気を使用しないので夜間の自動運転中に引火してしまった、といったことはありません。また電圧の違いに悩まされることもありませんので海外でもそのままご使用いただけます。
SV-アルファには、浮上油分離槽のついていないタイプ(SV-アルファE)もございます。
浮上油はそんなに出ないので、スラッジだけ回収できればOK、というユーザー様は是非こちらをご検討ください。分離槽がないので価格もリーズナブルです。また浮上油はそんなに困っていないけど液面に浮かぶ浮上スラッジをなんとかしたいという方は、SV-アルファEに液面吸引フロートユニットをオプションでつけることで問題解決が可能です。
SV-アルファをご使用いただいたユーザー様の声を一部抜粋しました。多くの皆様にご満足いただいています。
愛知県:M社様
カーボンの微粉末スラッジの回収用にデモ機をお借りしました。メッシュフィルターが目詰まりしないか心配だったのですが、デモ機の中に4種類のメッシュサイズのフィルターが入っていたので、目の粗いものから試してみました。最初はスラッジが通り抜けてしまったのですが、#150のフィルターでしっかりと回収することが出来ました。
静岡県:A社様
もともとは浮上スラッジを回収したくてデモ機を借りたのですが、ついでに別の機械の鋳物スラッジの回収もテストしてみました。エアポンプが強力なので吸引自体問題なくできたのですが、一番目の粗い#20でもメッシュフィルター内の水が抜けないことがあったのでちょっと悩んでいます。メーカー側より底板のメッシュサイズを#12に代えてみるという提案があったので、今度試してみようと思っています。
愛知県:T社様
普段から付き合いのある商社より紹介されて、デモ機を使用、その後購入しました。スラッジ回収が目的なのでSV-アルファEを試しましたが、問題なくスラッジが回収できてよかったです。使い勝手もとてもシンプル、また電気を使わないので、油性のクーラント液でも引火の心配がなく、安心して使用できるのがいいですね。
東京都:G社様
研削盤から出る研磨粉がワークに悪さをするので困っていました。マグネットセパレータだけでは取りきれず、液面まで浮上スラッジとして滞留していました。
展示会で見て、さっそくデモ機を借りて試したところ、予想以上に回収できてびっくりです。しかも簡単。もっと早く導入しておけばよかったです。
神奈川県:T社様
いままで浮上油がうまく回収できず、4~5か月ごとにクーラント液を交換してます。SV-アルファで浮上油回収をしてみたら、こんなにコンパクトなのにしっかりと吸引できたので驚きました。浮上油とクーラント液との分離も、箱が透明だからその様子が見えていいですね。浮上油回収の場合は、それほどバルブを開けないほうが、かえってスムースに分離が進むような気もしています。使っているうちにいろいろと見えてきますね。
山梨県:T社様
スペースとコストの問題でスラッジ回収装置を1台だけを保有していましたが、今回SV-アルファを導入して、多くの場合はスラッジ回収、でも時々浮上油回収と、1台で両方をカバーできるようになったのは本当に便利です。価格も2種類をそれぞれ購入するよりだいぶ安価でした。助かってます。
いままで困っていた夏場の浮上油の悪臭問題がどれだけ解消するのか楽しみです。
東京都:T社様
当社では少し前からスラッジ回収装置を探していました。SV-アルファも紹介されたのですが、浮上油回収は必要ないので検討外かなと思っていましたが、営業担当者の方からSV-アルファの最廉価版はスラッジ回収機能に特化したタイプと伺い、改めて価格してみたところSV-アルファが最安値でしたので、これにしました。コスト競争力もあることをもっとアピールしてくれればいいのに、と思いました。
山梨県:M社様
浮上油回収が主な目的でデモ機を借りました。今まで自社製のオイルスキマーを使っていましたが、SV-アルファは吸引部がフロートになっていているので、調整の必要もなく扱いやすかったです。
またエア作動であることで安心感があり、さらにコンパクトな台車上にまとまっているので移動も楽でした。
肝心の浮上油回収能力ですが、SV-アルファを作動させたままにして現場を離れている間に、クーラントタンク上に厚い層を作っていた浮上油がなくなり、液がキレイになっていました。よかったです。
1.タイプ | SV-アルファS | SV-アルファE |
---|---|---|
2. 装置基本構成 | 【スラッジ+浮上油】 | 【スラッジ機能のみ】 |
3. 回収機能 | ||
1)スラッジ回収 | ||
① 液中スラッジ(浮遊・沈殿) | ○ | ○ |
② 液面微細スラッジ(浮遊) | ○ | ○ |
③ 液面微細スラッジ + 液中スラッジ同時回収 |
○ | オプション品の 吸引フロート使用で可 |
2)浮上油回収 | ○ | ― |
3)スラッジ+浮上油 同時回収 | ||
① 液面微細スラッジ + 浮上油 | ○ | ― |
② 液中スラッジ + 浮上油 | ○ | ― |
4. 自動停止機能 | ||
① スラッジ満杯時 | ― | ― |
② 油回収缶満杯時 | オプション | ― |
5. スラッジ簡易脱水機能 | ○ | ○ |
6. 対象液 | ||
① スラッジ | 水溶性・油性 | 水溶性・油性 |
② 浮上油 | 水溶性 | ― |
7. 吸引能力 | ||
① スラッジのみ | ~50L/min(常用) | ~50L/min(常用) |
② 浮上油のみ | ~15L/min(常用) | ― |
8. 外形寸法・重量 | ||
① メッシュフィルター容量 | 4L | 4L |
② 浮上油分離槽容量 | 7L | ― |
③ 外形寸法(WxDxH, mm) | 470x360x1000 | 470x360x840 |
④ 重量 | 約40kg | 約35kg |
9. 付属品 | ||
① SUSメッシュフィルター (#150,#80,#40,#20) |
1個 (メッシュサイズは任意) |
1個 (メッシュサイズは任意) |
② 吸引ノズル | ○ (バルブ付き) | ○ (バルブ付き) |
③ 吸引フロートユニット (φ12mmホース付。浮上油、液面スラッジ用) |
○ | オプション |
④ 吸引フロートユニット (φ19mmホース付。大きい浮上スラッジ用) |
オプション | オプション |
⑤ スラッジ戻り液用ホース | ○ | ○ |
⑥ スラッジ戻り液用ホース先端液吐出圧軽減器具 | ○ | ○ |
⑦ 浮上油分離後戻り液用ホース | ○ | ― |
⑧ 浮上油回収缶行きホース | ○ | ― |
⑩ 引掛け式小物入れ箱 | オプション | オプション |
⑪ バッグフィルター用アタッチメント | オプション | オプション |
⑫ バッグフィルター | オプション | オプション |
10. 参考小売価格(消費税抜) | 950,000円 | 650,000円 |
2021年10月1日時点の仕様です。仕様は予告なく変更されることがあります。
オプションパーツ
エア源(端部カプラ付き)と、ペール缶をご用意ください。ペール缶はポンプ内に残った残液を最初に排出するために用います。
セラミックやラップ粉など、極微細な粉はSUSメッシュフィルターを通過してしまう一方、バッグフィルターでは目詰まりを起こすことがあります。また渦巻き状に長い切粉もノズル内で詰まることがあります。
本装置を定期的、または恒常的に運転させることで切削油は従来の2~3倍の期間お使いいただけます。
同時回収も可能ですが、同時に2つの吸引をおこなうため、(特にスラッジ回収の)吸引力が若干落ちます。
最も効率的に油水分離を行なうためにも、1~2秒に1回ポンプが脈動する程度で運転してください。
後付け可能です。また同様にSV-アルファEに分離槽を後付けすることも可能です。ただし浮上油分離槽の取付けはお客様でのご対応となります。
1μm、5μm、10μm、25μm、50μm、100μm、200μmです。5~50μmがよく使用されています。
ご使用後7年が目安です。ダイヤフラムポンプやその周辺部品などの消耗品は、2年程度での交換をお勧めしています。
はい、ご用意しております。ご要望いただければ、1週間無料で貸し出しいたします。SUSメッシュフィルターは4種類入っていますので、貴社のスラッジの大きさに合わせて各種お試しください。
種類 | SUSメッシュフィルター | PE製 バッグフィルター |
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型式 | WSP | SMF-#40 | SMF-#80 | SMF-#150 | SMF-#200 | ASP | |
サイズ | WSP | #40 | #80 | #150 | #200 | #200相当 | 1~200μm |
適応 スラッジ |
鋳物ヘドロ 粘性スラッジ |
主に切削加工用 (10μm以上 スラッジ) |
研磨・研削の砥粒スラッジなど | 超微細スラッジ |